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Kitahara Toru北原 徹(Ray and LoveRock) 

北原徹のPLEASE!#0004 「選ぶ力」について考えてみた。

生き方が問われた気がする。
見た瞬間に「どう生きているんだ?」と言われた気がした。その言葉はまるで、ボブ・ディランの「Blowin’ in the Wind」の歌詞のように届いた。
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おそらく、「ちゃんとしている?」とか、「真っ当に生きているか?」とか、故郷の親からくる手紙のようなことを問われているわけではない。
それはあくまで生き方であり、スピリッツへの問いかけだ。
はっとする間もなく、もっと格好良く生きていたいと思う自分がいた。

その服はしなやかなのだ。

「しなやか」という言葉。
音の響きから、ヤワな印象も受けるが実はそうではない。柔らかくもまた強い弾力を持っていなければならない。そして、上品であり、動きが滑らかでなければならないのである。
大切なことはしなやかであることなのかもしれない。
ショールカラーロングジャケット(by TAKAHIROMIYASHITATheSoloIst.)がぼくに生き方を問うてきた(気がする)。
そこにあるのは品。そして、大人の不良の匂いがする。町―—ストリート―—にとけ込むことのできる上質な空気感を、袖を通した者は纏うことができる。
まったく持って格好の良い一枚だ。人を格好良くさせ、人を格好良く生きさせようとする一枚だ。
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ロングジャケットを着て町に出てみた。
「街が泣いてた」(by 伊丹哲也とSide by Side)という1980年の古い曲を思い出した。あの頃、まだ町は泣くことができた。町には個性があった。町ごとにも個性があったし、地方という個性もあった。田舎に行くことで「田舎」を体験できた。電車が走り、駅前には駅前の姿があった。人々は「生活」していた。商店街というそれぞれの店の個性がひしめき合う町があった。
色のあった時代と言っても良いかもしれない。
建て売り住宅などはまだあまりなく、それでも、その地域に密着した家々が立ち並ぶ。大手と呼ばれるものが毎日の生活にまだ密着していなかったのかもしれない。大手がつくるものは家電製品や自動車くらいだったけれど、その家電も個人商店で売られていた。人に、家に、そして、町に色があった時代だ。
コンビニエンスストアもあったけれど、セブンイレブンの営業はまだ朝7時から夜11時までだった。
色がある時代、人々は個性的にいられた気がする。
食べ物が違った。
家庭の味が普通だった。野菜を売る店、肉を売る店、魚を売る店、乾物を売る店……、それぞれの店で買い物をして、家々で料理がつくられた。肉屋でつくられたコロッケやおでんのネタを売る店のおでん、乾物屋の豆の煮物や佃煮がお惣菜だった。その味も店ごとに違っていて、選ぶことができた。
本を売る店があり、本の質といえば良いのだろうか、それぞれの店に並ぶ本の「感じ」が違った。家電だって店ごとに違うものが置かれていた(これは契約するメーカーの違いでもあったのだが)。蕎麦屋に定食屋に中華料理(この場合、ラーメンとチャーハンと餃子とカレーライスなどがメイン)も町に数件ずつあり、人々の好みが分かれた。これもまた選ぶことができた。商店街にある店はそれぞれが競い合うように、その道のプロであり、目利きであり、小さいけれど、確かなそれぞれの分野でのセレクトショップであった。選ぶ眼を持った人が店を営業し、その店を個人個人が選ぶことができた。
選ぶことができるのは幸せなことだ。そして、この「選ぶ力」こそ個性ではないだろうか?

「街が泣いてた」の時代にはまだ個性があった。個性があるから、その個性を表現したくて、デザイナーズブランドやキャラクターブランドといわれるブランドがもてはやされたデザイナーたちの競演は―—あるいは狂宴は———ひとつの時代だった。丸井のスパークリングセールに行列ができて、ブランドの袋を持つことがおしゃれでさえあった。東京が憧れで、原宿はファッションの町になっていた。ジュリーは「TOKIO(糸井重里作詞)」を歌った。「欲しいなら何もかもその手にできる」と。だけれど、「見つめていると死にそう」だとも……。

例えば、食品や日用品も大手スーパーで買わないと何も買えないようになってきている。資本が集中するから格差も広がる。
選ぶ権利を奪われている気がして仕方ない。
個人情報保護法より、個人“商店”保護法ができないものかと思うし、集団的自衛権などいらないから、集団的“自営”権に力を与えてほしい。
町は人がつくるものだ。人が個性豊かになり、人が豊かに笑って、人が笑えるから楽しくなる。町が恋しい。人が恋しい。
なんだか、「さみしさのつれづれに手紙をしたためています」(「心もよう」by 井上陽水)ような文章になってしまった(気がする)。
個性を大切にしてほしいと語るようなショールカラーのロングジャケットがぼくに個性を考えさせたのかもしれない。個性を大切にする、つまりは自分を大切にするということに他ならない。

今はもう街は泣けない。泣くことができる「町」がないから。

だけれど、人はまだ泣ける。

Keep on Rock’n Roll!

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