本格派ランナーとしても知られる[アンダーカバー(UNDERCOVER)]のデザイナー高橋盾(ジョニオ)。[ナイキ(NIKE)]とのコラボで『GYAKUSOU』というランニングウェアもプロデュースする彼は、ファッションとスポーツの関係を真剣に考察しているデザイナーの1人でもある。間もなく4シーズン目を迎え、レディースラインも登場した『GYAKUSOU』のスピリッツについて、高橋に聞いた。
— GYAKUSOU が始まって2年ですね。
「2年目に入りました。次がちょうど4シーズン目。最初の頃は全然いなかったのに最近は本当にGYAKUSOUを着て走ってる人がすごいいっぱいいて。この間、GYAKUSOU着て逆走してる人もいたし(笑)。要はすれ違うわけでしょ。向こうはおれがデザインしてるって知らない人もたくさんいるし、知ってる人もいるし、挨拶される場合もある。『ジョニオさん、今の人GYAKUSOU着てますよ』って言われて『どれ?』って見ると、全くUNDERCOVERとか知らないようなおじさんのランナーの人が着れくれてたりして、すごい嬉しいっていうのがある。今までのランニングウェアって蛍光色とか使ってたりして、そういう方向だったのをおれは真逆で行きたいなっていうのがあって。狙ってたのは、町とか自然に馴染んで走ってる、例えば皇居周りのビジュアルがすごく日本っぽいカラーリングの落ち着いたムーブメントになればいいなっていうのが狙いなんで、徐々にちょっとずつなってきてる感じはあるからもっと続けたいな」
— 面白いですね。そこはジョニオさんというデザイナーならではの発想で、ウェアと同時に街もデザインしてるイメージだと思うんですよ。
「ランニングの人口考えたら、そうかもしれない。ユニフォームもないわけで、ランニングって自由なんで、それがもっと自由なりに、もう少し落ち着いたものにしたいなっていうのがすごい強くある」
— 市民ランナーとして本当に走ってる意味でいうと、それをやったデザイナーっていなかったですよね。
「たぶん。デザイナーがスポーツラインをやっていても、デザイン的にいいんだけど、『これじゃ走らないでしょ』みたいなところとかもあるでしょ。でも女の人はそれで走れちゃうし、それでもいいんだけど、男だったらもうちょっとストイックに走るっていうところに対してのウェアを考えていくと、これぐらいやってもいいんじゃないかなって。そういう意味ではそこをやってる人はいなかったような気がする。おれがやらせてもらうんだったらもうちょっとだけファッション性っていうのは入れて、でもファッションウェアじゃないんですよ、ランニングウェアなんですよっていう。これは本当にランニングウェアだから、普段着ちゃうと若干ちょっと違うのかなって」
— 今季から女性物も生まれて、待ってましたっていう人は多いんじゃないですか?
「女の人ってあんまり機能どうのじゃなくて見た目で服を選んでいくから、そこに対しておれがどうアプローチしていくのかが課題ですね。本気すぎると寒いし、でもデザインしすぎるとランニングウェアじゃないし、そこのバランスが難しいところで。UNDERCOVERはレディースがメインでデザインしてるけど、それとスタンスが大分違うかな」
— 走ってて女性のランナーって増えてきてる感じはあります?
「多いですよ。多いけど、やっぱり格好が気になる。とにかくピンク! おれもピンクは好きなんだけど、変なピンクなの。イチゴミルクのピンクっていうか、あとピンクに黒! その組み合わせはちょっと厳しいんじゃないかなって。『あの人走り方カッコいいな』って思っても、そういう色のウェアのせいで、全然カッコ良く見えないし。だから変える余地はあるんだけど、時間かかりそうだなっていうのが正直ある」
※『EYESCREAM 2012年3月号』より
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